ここでは、「公倍数(こうばいすう)」と「公約数(こうやくすう)」を説明するよ。
「倍数」ってなぁに?
「倍数」って漢字が並んでて、難しそうだね。
でも、難しそうに見えるだけだから、楽しく考えよう。
はじめに、「倍数」について考えよう。
「倍数」ってなんだろう?
生活している中で、
・カルピスを4倍に薄める
この元の量を「2倍」や「4倍」した量が「倍数」なんだ。
別の言い方をすると、ある数を2倍、3倍、4倍・・・と倍にした数の集まりが倍数なんだ。
もとの数が「2」とすると、
2,4,6,8,10,・・・・ なんだ。
もとの数が「3」とすると、倍数は、
3,6,9,12,15,・・・・ なんだ。
あっ、倍数の一番小さな数は、もとの数と同じだね。
倍数は「もとの数」が分かると、ほかの数が計算できるから、「もとの数」がとても大事なんだ。
そこで、「もとの数」が2のときの倍数を「2の倍数」、もとの数が4のときの倍数を「4の倍数」っていうように、もとの数が●●のときは「●●の倍数」っていうんだ。
次の問題を考えてみよう。
一番小さな7の倍数は、もとの数と同じだから、7だよね。
次に小さな数は、7の2倍だから、14。
その次に小さな数は、7の3倍だから、21。
この順番で考えると、答えは、
7の10倍かな? 7の100倍かな? 7の1000倍かな? ・・・
数がどんどん大きくなるから、きりがないね。
そう、それが答えなんだ。大きな数は決められないんだ。
だから、「7の倍数で一番大きな数は?」って質問しないでね。
次の問題を考えてみよう。
倍数はどんどん数が大きくなるけど、質問には「60より小さい数」って書いているよ。
7の倍数で60より小さくて、一番大きな数はなんだろう?
・・・そうだ! 7の倍数を書いてみよう。
だから、答えは、
・・・答えは合っているけど、もし問題文が、
7,14,21・・・と書いていくのは大変だよ。それになんといっても、カッコいい考え方じゃないよね。
どうしよう・・・。
そうだね、7の倍数っていうことは、7で割り切れるってことだよね。
60を7で割ると、
図で書くと、こんな感じかな。

7が8つあるよね。7×8は7の倍数だよね。
だから、7の倍数で、60より小さい一番大きな数は、7×8だね。これを計算すると、
さあ、これで、
だから、7の倍数で、100より小さい一番大きな数は、7×14だね。
これを計算すると、
公倍数・最小公倍数
さっきは「倍数」を考えたね。ここでは、「公倍数(こうばいすう)」と「最小(さいしょう)公倍数」を考えよう。
「公」は「おおやけ」って読めるね。「公」の意味は「全体」だね。
ちなみに、「公」の反対の言葉は「私」だね。「公的」の反対の言葉で「私的」って使うよね。
「公」の意味は「全体」っていうだけあって、「公倍数」は2つ以上の数のときに計算できるんだ。
2つ以上の「もとの数」の、それぞれの倍数の中から、同じ倍数だけを集めたものが「公倍数」なんだ。
言葉ではわかりにくいから、次の問題を見てみよう。
はじめに、2の倍数と、3の倍数を考えてみよう。
3の倍数は、3,6,9,12,15,18,21,24,27,30・・・
2と3の公倍数は、2の倍数にも、3の倍数にも含まれる倍数だから、2の倍数と、3の倍数を比べて、同じ倍数を考えてみよう。
3の倍数 : 3, 6, 9, 12, 15, 18, 21,・・・
2と3の公倍数: 6, 12, 18,・・・
これをみて気が付いたかな?
公倍数は、6の倍数になっているね。
公倍数は、一番小さな公倍数の倍数になっているんだ。
一番小さな公倍数を、最小(さいしょう)公倍数っていうんだ。
公倍数の中で、一番小さな公倍数を、最小(さいしょう)公倍数というんだ。
最小公倍数は、「分数」の計算でも使うから、マスターしておこう。
だから答えは、
公倍数が分かっていると、最小公倍数は簡単に分かるね。
次は「公倍数」をカッコよく計算する方法を考えよう。
その前に、「公倍数」によく似ている、「公約数」について考えよう。
「約数」ってなぁに?
「約数」って漢字が並んでて、難しそうだね。
でも、難しそうに見えるだけだから、楽しく考えよう。
「約数」って普段使わない言葉だね。
「約数」は、ある数を割った時に、割り切れる数の集まりのことなんだ。
言葉ではわかりにくいから、次の問題を見てみよう。
12をその数で割ると、割り切れる数が約数なんだ。
なにで割り切れるか、1から順番に考えよう。 余りが無い数が、割り切れる数だから、約数だね。
12÷2 =6
12÷3 =4
12÷4 =3
12÷5 =2・・・2
12÷6 =2
12÷7 =1・・・5
12÷8 =1・・・4
12÷9 =1・・・3
12÷10=1・・・2
12÷11=1・・・1
12÷12=1
12÷13=0・・・12
だから、答えは、
一番小さな数は、1だよね。どんな数でも1で割り切れるよね。そのときの商は、もとの数自身だよね。
一番大きな数は、もとの数自身だよね。どんな数でも、もとの数自身だと必ず割り切れるよね。そのときの商は、1だよね。
たとえば、101の約数で一番小さな数は1、一番大きな数は101だよね。
公約数・最大公約数
さっきは「約数」を考えたね。ここでは、「公約数(こうやくすう)」と「最大(さいだい)公約数」を考えよう。
「公」は「おおやけ」って読めるね。「公」の意味は「全体」だね。
ちなみに、「公」の反対の言葉は「私」だね。「公的」の反対の言葉で「私的」って使うよね。
「公」の意味は「全体」っていうだけあって、「公約数」は2つ以上の数のときに計算できるんだ。
2つ以上の「もとの数」の、それぞれの約数の中から、同じ約数だけを集めたものが「公約数」なんだ。
言葉ではわかりにくいから、次の問題を見てみよう。
はじめに、12の約数と、15の約数を考えてみよう。
15の約数は、1,3,5,15
12と15の公約数は、12の約数にも、15の約数にも含まれる約数だから、12の約数と、15の約数を比べて、同じ約数を考えてみよう。
15の約数 :1, 3, 5, 15
12と15の公約数:1, 3
公約数の中で、一番大きな公約数を、最大(さいだい)公約数というんだ。
最大公約数は、「分数」の計算でも使うから、マスターしておこう。
だから答えは、
公約数が分かっていると、最大公約数は簡単に分かるね。
どんな数でも、約数で、一番小さな数は、1だったよね。どんな数でも1で割り切れるからね。
だから、公約数で、一番小さな数は、1になるんだ。
では、「公約数」はどうやって計算すればいいんだろう?
次は「公約数」をカッコよく計算する方法を考えよう。
「素数(そすう)」「素因数分解(そいんすうぶんかい)」ってなに?
公倍数と公約数の考え方は分かったけど、カッコよく計算する方法はないのかな?
「2と3の公倍数」を見つけるために、「2の倍数」と「3の倍数」をたくさん書いて探すのは大変だよね。
「12と15の公約数」を見つけるために、「12の約数と15の約数」を全部書いて探すのは大変だよね。
そのためには、素因数分解(そいんすうぶんかい)を使うと便利なんだ。
カッコいい計算のやり方だから、覚えよう。
素因数分解を説明する前に、次の問題を考えてみよう。
1から順番に約数を考えてみよう。
2の約数 :1,2
3の約数 :1,3
4の約数 :1,2,4
5の約数 :1,5
6の約数 :1,2,3,6
7の約数 :1,7
8の約数 :1,2,4,8
9の約数 :1,3,9
10の約数:1,2,5,10
実は、今答えた、
2
3
5
7
「素数」は、約数が「1」と「もとの数」だけの数なんだ。
「素数」は、約数が「1」と「もとの数」だけだから、他の数を使って割り切れないんだ。
次の問題を考えてみよう。
6を素数のかけ算にするのだから、6が何で割り切れるかを考えればいいよね。
割り切れる数は、約数だよね。
2)6=2×3
3)6=3×2
4)6=6×1
1)と4)は、もとの数字の6がまだあるから、6を書き換えていないよね。。。
2)と3)は、使っている数字が2と3で同じだね。かけ算は、数字の順番を入れ替えても答えは同じだったよね。
だから、2)と3)は答えが同じになるから、どちらを書いてもいいんだ。
ここからは、2)の式を使って考えよう。
3は素数かな? 素数だよね。
だから、答えは、
実は今、6を素因数分解したんだよ。
もとの数を、素数だけのかけ算にすることを「素因数分解」というんだ。
もとの数を、素数で書き換えるのって、カッコいいよね。
素因数分解の仕方を覚えよう。
次の問題を考えてみよう。
24の約数は、1,2,3,4,6,8,12,24だよね。
いろんな数で割り切れるね。素数じゃない数も含まれているね。
24を簡単に素数のかけ算に書き換えられないかな?
素因数分解は、もとの数を素数だけのかけ算に書き換えるんだよね。
だから、もとの数を、素数でわり算して、もとの数に含まれている素数を計算しよう。
はじめに、もとの数の24を、素数の2で割ろう。
=2×2×6
=2×2×2×3
さて、24を素因数分解するときに、何回もわり算をしたよね。
24を2でわり算するとき、ひっ算は、

でも、これだと、次に12を2でわり算するときに、別にひっ算を書かないといけないから、分かりにくいよね。
実は、素因数分解がしやすいひっ算の書き方があるんだ。
それは、24を2でわり算するときは、

わり算の答えの12は、24の下に書くんだ。
わり算のひっ算と同じように、十の桁と、一の桁は縦にならぶように書くんだ。
次に12を2で割り算するよ。このときは、

次に6を2で割り算するよ。このときは、

ここで、左の数字と、一番下の数字をかけ算してみよう。
下のオレンジ色の数字だよ。

これは、24の素因数分解した式なんだ。
だから、24を素因数分解した式は、
最小公倍数を計算する
次の問題を考えてみよう。
はじめに、4の倍数を考えてみよう。
4を素因数分解のひっ算をすると、

4の倍数を、2×2を使って書くと、
4×2=2×2×2=8
4×3=2×2×3=12
これからわかるように、4の倍数は、必ず2が二つあるんだ。
それはそうだよね。
だって、4=2×2、だから、2が二つあるよね。
でも、これはとても大事なことなんだ。
つぎに、6の倍数を考えてみよう。
6を素因数分解のひっ算をすると、

6の倍数を、2×3(または3×2)を使って書くと、
6×2=2×3×2=12
6×3=2×3×3=18
これからわかるように、6の倍数は、必ず2が一つと、3が一つあるんだ。
それはそうだよね。
だって、6=2×3、だから、2が一つと、3が一つあるよね。
でも、これはとても大事なことなんだ。
さて、4と6の最小公倍数は、4の倍数であり、6の倍数だから、
6の倍数になるための、2×3がある
これを考えると、4と6の最小公倍数は、
この式を計算すると、
つぎの問題を考えよう。
8を素因数分解すると、

[式]
8=2×2×2
だから、8の倍数は2が三つあるんだ。
12を素因数分解すると、

[式]
12=2×2×3
だから、12の倍数は2が二つと、3が一つあるんだ。
8と12の最小公倍数は、
12の倍数:2×2×3
こうすると、8の倍数の2×2×2があるし、
これを計算すると、
最大公約数を計算する
(工事中。ちょっと待ってね。)